medicina21巻6号

1984年06月発行

講座 小児診療のコツ・12

手足の痛み

著者： 藤川敏¹

所属機関： ¹獨協医科大学越谷病院・小児科

ページ範囲：P.1149 - P.1154

四肢痛へのアプローチ
　小児，とくに乳幼児が手足の痛みを訴えることは日常頻繁に経験する症状の一つである（表1）．またリウマチ熱を疑われて受診する症例も多い．しかし必ずしも病的でないことも多く，また手足の疾患以外であることもあり，くわしく具体的に問診をすることが大切である．
　問診の方法は自分の意志を的確に表現できる年齢かどうかによっても異なるが，どの部分がどのようなときに痛がるか，また持続時間も聞いておく必要がある．たとえば歩行するときのみか，安静時にも痛いか，おむつを交換するときとか抱き上げるときに限るか，夜間ベッドに入ってからのほうが訴えるか．