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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻7号

1984年07月発行

文献概要

今月の主題 循環器薬の使い方 急性心筋梗塞

抗凝固剤の使い方

著者: 藤田良範1 長谷川武志1

所属機関: 1昭和大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1202 - P.1203

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 心筋梗塞は多くの場合,冠状動脈の粥状梗化症を基盤として,これに血栓,出血などが加わり,心筋の壊死を起こすものである.この血栓症の治療,再発作の予防として,①生成されたフィブリンの除去(血栓溶解療法),②フィブリン形成の阻止(抗凝血薬療法),③血小板粘着,凝集阻止(抗血小板剤療法),などの方法がある.
 抗凝血薬として本邦で使用されているのは,注射としてヘパリン,経口薬としてワルファリンがある.抗凝血薬療法の効果については意見の分かれるところであるが,黒岩1)は以下のようにまとめている.①急性期死亡率はわずかに低下する.②禁忌のない例で入院中に使用することは有効である.③血栓・塞栓症は有意に減少する.④退院後の長期療法の効果についてはほとんど認められない(彼らの自験例では,1年以内の死亡率はわずかに減少するとしている).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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