文献詳細
文献概要
今月の主題 循環器薬の使い方 急性心筋梗塞
抗凝固剤の使い方
著者: 藤田良範1 長谷川武志1
所属機関: 1昭和大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.1202 - P.1203
文献購入ページに移動 心筋梗塞は多くの場合,冠状動脈の粥状梗化症を基盤として,これに血栓,出血などが加わり,心筋の壊死を起こすものである.この血栓症の治療,再発作の予防として,①生成されたフィブリンの除去(血栓溶解療法),②フィブリン形成の阻止(抗凝血薬療法),③血小板粘着,凝集阻止(抗血小板剤療法),などの方法がある.
抗凝血薬として本邦で使用されているのは,注射としてヘパリン,経口薬としてワルファリンがある.抗凝血薬療法の効果については意見の分かれるところであるが,黒岩1)は以下のようにまとめている.①急性期死亡率はわずかに低下する.②禁忌のない例で入院中に使用することは有効である.③血栓・塞栓症は有意に減少する.④退院後の長期療法の効果についてはほとんど認められない(彼らの自験例では,1年以内の死亡率はわずかに減少するとしている).
抗凝血薬として本邦で使用されているのは,注射としてヘパリン,経口薬としてワルファリンがある.抗凝血薬療法の効果については意見の分かれるところであるが,黒岩1)は以下のようにまとめている.①急性期死亡率はわずかに低下する.②禁忌のない例で入院中に使用することは有効である.③血栓・塞栓症は有意に減少する.④退院後の長期療法の効果についてはほとんど認められない(彼らの自験例では,1年以内の死亡率はわずかに減少するとしている).
掲載誌情報