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今月の主題 循環器薬の使い方 慢性期虚血性心疾患
再発予防のためのβブロッカーの使い方
著者: 菱田仁1
所属機関: 1名古屋保健衛生大学医学部・内科
ページ範囲:P.1214 - P.1215
文献購入ページに移動 慢性期虚血性心疾患の治療とは,狭心症や心筋梗塞の基盤となった冠動脈硬化症の進展の抑制と発症の予防を目的とするものであろう.冠動脈硬化症そのものに対しては,リスクファクターの排除が重要であり,高脂血症の治療はその中に含まれるであろう.一方,抗凝固療法は,心筋梗塞の発症に密接にかかわる血栓形成を予防しようとするものである.これらに対し,その機序は明らかでないが,βブロッカーが心筋梗塞後の再発や急死を減らすのに有効であることが最近の研究で証明され,大きな関心を集めている.
βプロッカーの心筋梗塞後の再発や死亡に対する予防効果の研究は,1965年のSnowの指摘1)以来数多く行われてきたが,それらの結果は肯定的なもの,否定的なものとまちまちであった.その理由は,対象例数が十分でないことや,試験計画や分析法に問題があるためとされた.そこで最近,欧米において,2,3の大規模な無作為二重盲検試験が行われ,いずれもβブロッカーの有効性を証明する結果となった.
βプロッカーの心筋梗塞後の再発や死亡に対する予防効果の研究は,1965年のSnowの指摘1)以来数多く行われてきたが,それらの結果は肯定的なもの,否定的なものとまちまちであった.その理由は,対象例数が十分でないことや,試験計画や分析法に問題があるためとされた.そこで最近,欧米において,2,3の大規模な無作為二重盲検試験が行われ,いずれもβブロッカーの有効性を証明する結果となった.
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