icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina21巻7号

1984年07月発行

文献概要

臨床メモ

リンパ節炎

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科 2慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.1314 - P.1314

文献購入ページに移動
 リンパ節腫脹は,さまざまな疾患によってひき起こされる症状であり,感染症もその1つの原因である.感染症にみられるリンパ節の腫脹は,単発的なもの,局所的に腫れるもの(regional lymphadenitis),あるいは全身性感染症の結果全身のリンパ節が腫れるものに分けることができる.
 急性単発的,あるいは局所的リンパ節炎で最も多くみられる部位は頚部リンパ節である.化膿性のリンパ節であると腫脹は3cm以上であり,圧痛と皮膚の発赤を伴っている.発熱はほとんどの例にみられる.原因菌として,group A溶連菌やブドウ球菌が大部分をしめる.しかし,化膿性リンパ節炎をみることは近年は稀で,むしろ非化膿性の原因菌によるものが多い.もちろんその大多数はウイルス性の疾患であり,いわゆるself-limitedである.こうしたウイルス性の頚部リンパ節炎は単なる咽頭炎,喉頭炎などに起こるもので,リンパ節腫脹のサイズもそれほど大きくならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?