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雑誌目次

雑誌文献

medicina21巻8号

1984年08月発行

雑誌目次

今月の主題 下痢と腸疾患

理解のための10題

ページ範囲:P.1438 - P.1440

下痢の病態生理

下痢の分類

著者: 松枝啓

ページ範囲:P.1352 - P.1355

 下痢は,1日の糞便中の水分量が200ml以上(または,糞便の重量が200g/day以上)と定義されている.事実,正常人では大量の水分摂取や上部消化管への分泌にもかかわらず,1日の糞便量は150g以下であり,その水分量も150 ml以下である.すなわち,正常人では図1で示すごとく,食事の摂取による約2lの液体と上部消化管からの分泌液約7lの計9lが腸管内液として近位消化管内に存在するが,その90%以上が腸管より再呼吸され,糞便として排泄される量はわずか0.1〜0.2l/dayである.この再呼吸は空腸回腸そして結腸で起こるが,実際には空腸から3〜5l,回腸から2〜4l,そして結腸から1〜2lの液体が再吸収されて体循環に入りenterosystemic cycleを形成することにより,細胞外液の12〜20lを保持している.正常人では,このようなenterosystemic cycleにより1日の糞便量が200ml以下にコントロールされているが,この機構の破綻により,糞便中の水分が増加して下痢が発生する.
 このenterosystemic cycleの破綻を起こす原因として,理論的には5つの機序が考えられる.

小腸と下痢

著者: 森内幸子 ,   杉山みち子

ページ範囲:P.1356 - P.1358

 毎日,小腸に出入りする水の量は,経口的に食物とともに摂取される約2lに,消化液などとして腸管に分泌されるものを加えると約7lにおよぶ.そのうち,約6lは小腸から吸収されている.一方,吸収と同時に小腸からの水の分泌も行われている.
 この場合の吸収とは,水の腸管腔から血液中への流れ(insorption)であり,分泌とは血液中から腸管腔への流れ(exorption)である(図1).Insorptionの速度がexorptionの速度を上回った場合に正味の吸収として,逆の場合に正味の分泌として観察される.insorptionの減少が著しい場合や,exorptionが促進される場合には正味の分泌が増大して,下痢が引き起こされてくる.

大腸と下痢

著者: 鈴木裕一

ページ範囲:P.1360 - P.1361

 大腸粘膜上皮には,小腸と同様の電解質液分泌機構が存在し,その異常亢進により下痢がひき起こされる.大腸はまた電解質液吸収機構も持っており,それによって下痢の発生にさまざまな形で修飾をもたらしてもいる.

消化管運動と下痢

著者: 佐々木大輔 ,   吉田豊

ページ範囲:P.1362 - P.1363

 下痢をもたらす疾患は数多い.下痢は単に消化器の疾患のみに伴うものでなく,全身的な疾患に伴うこともある.下痢の病態生理は原疾患の病態によって異なるが,下痢を伴う疾患の消化管運動の病態生理も,嚥下にはじまり排便に終わるまで消化管のそれぞれの部位によっても異なってくる.
 消化管運動の観察方法は,シネX線写真を用いた観察,X線非透過性マーカー,アイソトープあるいは呼気水素試験などを用いた腸管通過時間(transit time)の測定,腸管壁の平滑筋EMGおよび圧のセンサーやopen-ended tip法を用いた消化管内圧の測定などがなされている.

cyclic AMP,cyclic GMPと下痢

著者: 兼子俊男 ,   松谷朗

ページ範囲:P.1364 - P.1365

 腸管は栄養素の吸収を目的とする臓器であるが,同時に生体における最大の分泌器官でもある.全消化管は成人1日量にして6〜10lの液体の分泌を行うが,通常この大量の分泌物は大部分が小腸で吸収され,盲腸への移行は約500mlで,さらに排便時の水分は100mlとなる.日常臨床で頻繁に遭遇する下痢はこのように大規模な水分の分泌と吸収の均衡が崩れることにより発症するが,その成因はさまざまである.ここでは一部の下痢の発症のmediatorと考えられているcyclicAMP,cyclic GMPの水およびmineralの輸送に及ぼす影響,および下痢との関連について最近の知見を中心にまとめてみた.以下の説明では水の移動について触れないこともあるが,mineralと並行して動くと考えてさしつかえない.

プロスタグランディン

著者: 兼子俊男 ,   大久保正士

ページ範囲:P.1366 - P.1367

 プロスタグランディン(PG)は消化管において,胃酸分泌抑制作用1)を有することが当初発見され,その後PGのcytoprotection作用が注目されて,胃腸粘膜の防御機構におよぼす影響と抗潰瘍性について研究されてきた.PGはすでに分娩誘発,陣痛促進など産科領域や開腹手術後の腸管麻痺に対して臨床的に応用されている.しかしPGの投与により副作用として,下痢,腹痛,嘔吐などの消化器症状が出現することはよく知られており.これはPGが胃・腸管運動亢進をきたすことに基づくと考えられている.PGに関する最近の研究は,PGが腸管運動に影響を及ぼすのみならず,腸管の水・電解度の吸収・分泌や,下痢の病態生理などに重要なかかわりを持つことを次第に明らかにしてきた.本稿ではPGの腸管への作用および下痢との関係について概説する.

VIP,ソマトスタチン,モチリン

著者: 若林一二

ページ範囲:P.1368 - P.1369

VIP(Vasoactive Intestinal Polypeptide)
 化学
 VIPは,粗セクレチン分画に含まれる血圧降下作用を有する物質を追求した結果,1970年SaidとMuttによりブタ小腸から単離,同定された28個のアミノ酸から構成されるペプチドである.化学構造はセクレチン,GIP,グルカゴンと類似性がある.Prepro VIPにはVIPとともにPHIが含まれることが明らかにされている.

胆汁酸

著者: 加納隆 ,   武藤泰敏

ページ範囲:P.1370 - P.1372

胆汁酸代謝とその役割
 胆汁酸は,腸肝循環という閉鎖回路により一定量のプールサイズが維持されているが,この調節には胆汁酸プールの大部分を占める胆嚢,小腸が重要な役割を果たしている.
 すなわち,胆汁酸は肝においてコレステロールより合成され,グリシンならびにタウリン抱合をうけ,胆嚢を経て小腸内に分泌される.小腸内に排泄された抱合胆汁酸は,膵リパーゼおよびコリパーゼと三重複合体を形成し,長鎖脂肪を水解し,胆汁酸—モノグリセリド—脂肪酸複合ミセルを形づくることにより脂質の消化吸収に重要な役割を演じている.しかもこの複合ミセル形成には,一定濃度(critical micellar concentration;CMC)以上の抱合胆汁酸の存在が不可欠である.

腸内細菌叢

著者: 光岡知足

ページ範囲:P.1374 - P.1375

腸内細菌叢とは
 ヒトは母親の胎内にいるときは完全無菌ですごすが,分娩と同時に産道や外界からの細菌の汚染をうけ,まもなく腸内に多数の細菌がすみつくようになり,一生の間,密接な関係をもって増殖しては排泄されている.このような細菌の一群を"腸内(細)菌叢"と呼んでいる.

細菌毒素と腸疾患

著者: 朝倉均 ,   吉岡政洋 ,   浜田慶城 ,   土屋雅春

ページ範囲:P.1376 - P.1379

 腸管感染症の下痢機序に関する最近の研究の進歩は目ざましく,分子レベルで解明されつつある.細菌の産生する細菌毒素には,菌体外毒素と内毒素endotoxinがあるが,グラム陰性菌内毒素は0.01μg/kg以下で強い発熱,致死,骨髄壊死,白血球減少,補体・凝固系の活性化などの多彩な作用があるが,健康人では腸内細菌の内毒素は吸収されても肝で解毒される.しかし,肝機能障害,腸管機能障害,感染巣の存在は内毒素が血中に出現し,endotoxemiaになり,しばしばショック状態になる.本項では下痢に関する菌体外毒素について解説する.

腸疾患と下痢

クローン病

著者: 長廻紘

ページ範囲:P.1380 - P.1382

 下痢は腹痛とならんでクローン病において最も頻度が高い症状である.クローン病は消化管のどの部位にも生じうる慢性の炎症性疾患であるが,とくに下部回腸,大腸(どちらか一方あるいは両者)が好発部位である.
 回腸あるいは大腸の病変がある程度以上の拡がりをもつようになると下痢は必発である.また回腸病変では同時に各種栄養素の吸収障害を伴う.クローン病の診断がついた時点で患者の80〜90%に下痢がみられる.多くは炎症による腸管蠕動亢進,吸収面積減少に伴う単純な下痢である.便の性状は水様のこともあるが,むしろ軟便〜半液状のことのほうが多い.小腸病変が広汎なときはsteatorrheaが加わり,独特の悪臭をもった大量の脂肪下痢をみる.小腸に主病変があるときは下痢回数は1日2〜5行,大腸病変では3〜10行ぐらいといわれる.しかし病変が広汎でまったく下痢がみられないこと,稀には小腸-大腸瘻孔がある症例でも下痢をみないことがある.

潰瘍性大腸炎

著者: 北野厚生 ,   小林絢三 ,   大川清孝

ページ範囲:P.1383 - P.1385

 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)は,クローン病(Crohn's disease;CD)とともにIdiopathicInflammatory Bowel Disease(IBD)と称せられ,未だ原因不明の慢性の炎症性腸疾患である.
 病因,および発生病理としては,感染説,アレルギー説,自己免疫説が有力であるが,本症の病態を理解する上で単一の病因のみでは説明しえず,多元的な立場に立ってその病因を究明するのが妥当であると考えられる1)

感染症

著者: 松原義雄

ページ範囲:P.1386 - P.1388

最近の感染性腸炎の概説
 今日の感染性腸炎の動向を要約すれば,第1に従来のShigellaに代って新しい数多くの起因菌が検出されるようになり,それに伴って,検査にしても治療にしても新しい対応が必要となったこと,第2に,いわゆる輸入感染性腸炎が増えつつあって,一つの社会問題を提起していること,の2点にしぼられる.
 下痢を主訴として訪れる患者の中で,いまでも各種病原微生物によるものは決して少ないものではない.

消化管切除後の下痢

著者: 畠山勝義 ,   小山真 ,   武藤輝一

ページ範囲:P.1390 - P.1393

 下痢の発生機序としては,①腸管からの水分の吸収異常,②腸管よりの分泌過剰,③腸管の運動亢進,などがあげられているが,単独の理由で下痢が発生することはむしろ稀で,2種以上の因子が重なって起こることが多い.消化管手術後の下痢も例外ではなく,数種の因子が相互に関連して起こってくる.切除による臓器欠損が必須の消化器外科領域では,多かれ少なかれ各種栄養素の消化吸収障害も下痢の主たる原因となっている.とくに近年では腹部臓器広範切除が安全に行われるようになり,術後の長期管理上,消化吸収障害の治療を含めての下痢のコントロールの必要な症例が増加傾向にある.消化管切除後の下痢発生頻度は決して少なくなく1)(表1),また消化吸収障害と密接な関係にあるので,その点を中心に述べてみたい.

過敏性大腸症候群

著者: 棟方昭博

ページ範囲:P.1394 - P.1395

 本症候群は従来irritable colon,spastic colon,mucous colitis,unstable colon,unhappy colon,functional colitis,functional diarrhea,catarticcolitis,membranous colitisなどの病名でいわれたもので,criteriaが定かでなかったが,炎症性疾患などを除外した機能性腸疾患として最近では概念が確立されてきた.欧米では消化器患者の1/3〜1/2を占めるといわれており1),本邦でも大腸疾患の40%前後を占めており,臨床の場でよく遭遇する疾患の一つであり,症状や治療への反応が多彩であるのは周知の事実である.
 本症の呼称はIrritable Colon Syndrome(過敏性大腸症候群)といわれていたが,本症の症状が結腸に限らず小腸や食道,胃,十二指腸からも出現することがわかり,最近ではIrritable Bowel Syndrome(過敏性腸(管)症候群)やIrritable Gut Syndromeの診断名が用いられている.

blind loop syndrome

著者: 池永達雄 ,   沢田寿仁

ページ範囲:P.1396 - P.1398

 blind loop syndrome(以下BLSと略)(盲嚢または盲管症候群)とは,stagnant loop syndromeまたはcontaminated small bowel syndromeともいわれるように,消化管(とくに小腸)の一部に内容がうっ滞し,細菌の異常増殖をきたしたため種々な病状を呈する病態の総称で,二次性吸収不良症候群の一病態を形成している1)
 本邦で遭遇するBLSは,以前より消化管の吻合手術後の病態により発生したものが多く,口側小腸が肛門側小腸または大腸と側々短絡吻合され,その間の全腸管が空置されているいわゆる盲環型に起きることが多い2)(表1,図1).また盲環型以外に,腸切除後に両側断端が通常行われる端々吻合でなくて,側々に吻合された場合の盲嚢,とくに口側盲嚢self filling blind pouchや,Billroth II法で吻合された胃空腸吻合の輸入脚などのほかに,最近では手術操作と関係ない腸結核,クローン病または放射線照射による小腸狭窄や小腸憩室症により,さらに特発性腸偽閉塞症,強皮症,交感神経節遮断剤の長期使用,糖尿病性neuropathyなどに際しての腸管運動の障害によって起きた腸内容うっ滞による吸収不良症候群つまりBLSも報告されている3)

celiac disease

著者: 石森章 ,   長崎明男

ページ範囲:P.1400 - P.1402

celiac diseaseの概念
 celiac diseaseの本体はgluten不耐症で,小腸絨毛の萎縮と小腸吸収上皮細胞の酵素活性低下が起こり,臨床上食物の吸収不良が主要症状となっている.同義語としてnon-tropical sprue,idiopathic steatorrhea,sprue,celiac sprue,gluten-induced enteropathyなど種々の名称が用いられている.本症はもともとヨーロッパ北西部出身者に多く,黒人,ユダヤ人,地中海沿岸出身者には稀である.わが国ではきわめて稀と考えられており,その存在が疑問視されていたが,最近,平塚ら1)が4例の紹介をしている.その後の厚生省の調査でも確実現されているのは2例にすぎない2).男性に比べて女性に多く,87%が女性であったという報告もある.血液型では0型に多く,A型は稀であり,HLAタイプでは,B8,Dw3,DRw3が健常者の4倍みられたとの報告もある.このため,本症の成因については免疫反応異常説が唱えられており,通常生後1年以内に発症するが,glutenに対する異常抗体ないし腸上皮細胞に対するgluten結合異常などが指摘されている3)).
 生理的に空腸は栄養素の最も能動的な吸収部位であるが,本症でこの部の絨毛萎縮が高度にみられることは必然的に低栄養状態へのステップとなることを意味している.

牛乳不耐症

著者: 正宗研 ,   松本恒司

ページ範囲:P.1404 - P.1405

概念と病態
 牛乳不耐症milk intoleranceは本来健康者で,ただ牛乳や乳製品を摂取したときに下痢,腹痛や腹部膨満感が起こる病態に対してつけられたものである.その際の下痢は水様性で外見上泡立っていることが多い.一方,これに関連した言葉として,乳糖不耐症lactose intoleranceとラクターゼ欠乏症lactase deficiencyの2つがある.前者はその原因が乳糖分解酵素ラクターゼ欠乏によることを言外に含みながら,牛乳や乳製品の主成分である乳糖摂取によって起こる種々の臨床症状を主に表現した名称である.一方,後者はラクターゼの欠乏の面を強調した言葉で,ラクターゼ活性値の低下が定義の根拠として重要な意味をもっている.実際には,牛乳不耐症や乳糖不耐症の原因としてラクターゼのもつ意味は重要であるが,この3つは少しずつ意味あいを異にしている.
 ラクターゼ活性は人種や地域,とくに前者によって著しく異なる.一般に白色人種はその活性が高く,逆に東洋人種,黒人などは低い.したがって,欧米で常用する牛乳量(およそ1l/日)をわれわれ日本人が摂取すれば,当然のことながら大部分の者は下痢,腹痛などの症状が出現する.しかし,元来牛乳の摂取量は人種により著しく異なるため,日本人に関して"牛乳不耐症"といわれるものは1日1〜2本の牛乳飲用後起こる下痢,腹痛,腹部膨満感のため牛乳を飲むことができないものと定義してさしつかえない.

下痢患者をみたらどうするか

小児—小児の特徴を示す4症例を中心に

著者: 香坂隆夫

ページ範囲:P.1406 - P.1409

小児の下痢症の特徴
 小児の下痢症は,その病変部位が消化管に限局していたとしても,全身性の代謝性変化としてとらえる必要がある.それは体液量が大人の60%に比し小児は80〜90%と多く,かつ,小児は飢餓により容易にケトーシスに陥りやすく,容易に脱水症に移行するという特徴を有するからである.診断に際しては基本的な事項である,経過が急性か慢性か,全身の栄養状態,脱水の有無,便の性状(水様性,血便,脂肪便,悪臭,酸臭),1日の便の量などに注意すれば,正確な診断は別としても,治療の大筋の計画は可能である.しかも,種々の治療に対していかに反応するかによって,正確な診断に近づくことができる.

老人

著者: 渡辺晃

ページ範囲:P.1410 - P.1412

 下痢は症状の一つであるから,その治療にあたっては病因を解明し,それに応じて治療方針をたてなければならない.それには,下痢の持続期間,排便回数と排便時間,便の量・硬さ・組成,腸管以外の疾患の有無などについて検討することが必要である.年齢もその一つであり,潰瘍性大腸炎,Crohn病,スプルー,過敏(大)腸症(候群),乳糖不耐症などは若年,30歳以下の成人に多いのに対し,大腸癌,大腸憩室炎,膵癌,腸の血管性病変や,下剤の乱用による下痢は老人に多い.ここでは,別項で述べられる分類や検査については省略し,下痢患者の病歴や症状に重点をおいて考察する.上記のように,とくに老人に好発する疾患をゴシックで示す.

腸に異常がない場合

著者: 吉森正喜

ページ範囲:P.1414 - P.1415

 腸に異常がない下痢をみた場合,まず目をむけなければいけないのは上部消化管や膵臓であろう.これらの臓器は腸と密接な関係があり,下痢をきたす場合も腸とまったく無関係というわけではない.

輸入下痢症(旅行者下痢症)

著者: 滝上正

ページ範囲:P.1416 - P.1417

定義,疫学
 海外旅行者は年々増加の傾向にあり,最近1年間に日本に入国する邦人,外人は約500万人に達し,そのうち20%がWHOの指定したコレラ汚染地区からの帰国者,または来日者である.さらに,入国時,検疫所からの質問票に任意に下痢の申告をしたものは1万2千人(うちコレラ汚染地区からは8,000人)であるという.これらの数字の周辺ないしは背後に「輸入下痢症」の問題がひそんでいることになる.
 ここで「旅行者下痢症」の定義を明らかにしておきたい.本症は「熱帯,亜熱帯地方の発展途上国において他国の旅行者が罹患する下痢症」のことで,現地土着の人は長年の間に免疫を獲得しているため発症しない.「輸入下痢症」も同義と解してよい.「輸入」という表現が妥当かどうかの問題はさておき,感覚的には前者は発展途上国に滞在中の既発症,後者は帰国後の発症に重点がおかれている感じを受ける.ただし,長期の疫学的見地からみたとき土着疾患,輸入疾患の別は決して絶対的なものではない.たとえば,現在わが国で梅毒を輸入感染症という人は誰もいないであろう.

検査法—検査の組み立て

著者: 酒井義浩

ページ範囲:P.1418 - P.1419

問診の重要性
 検査法を組み立てる際に,問診は理学的所見とともに重要である.誘因になる飲食物の摂取,下痢に前駆する症状の有無と随伴する症状の消長,下痢の回数,便の色,臭,混入物などについて聴取することにより,概略を推測することは可能である.既往歴が枢要な示唆を与えてくれることもある.肝疾患,膵疾患,甲状腺疾患,糖尿病にはしばしば合併し,胃腸切除,放射線照射,人工透析などが慢性下痢を惹起することも知られている.幼小児期の健康状態は,慢性下痢の例では十分明確にされるべきである.嗜好品(ことにアルコール)が遠因となっていることも少なくない.常用薬や他科での治療内容(ことに抗生物質,制癌剤,消炎剤など)についても聴取すべきである.社会歴や業務内容との関連も明確にしなければならない.心因を評価することは必ずしも容易ではないが,家族に同様症状を有する場合もあり,患者または家族が症状の類似性に気付いていることもある.

検査法—機能検査

著者: 田中三千雄 ,   藤倉信一郎

ページ範囲:P.1421 - P.1423

 下痢の診断のための機能検査の概略を表(次頁)にまとめた.検査の種類がきわめて多いことは下痢の発現機序の複雑さを物語っている.
 この中で最近の新しい検査法を中心に,若干の説明をつけ加えておく.

治療

各種止痢剤の使用法

著者: 笹川力

ページ範囲:P.1424 - P.1426

 下痢は腸内の有害物質を早期に排除せんとする合目的意義をも有しているので,下痢患者を診て安易に止痢剤や抗生物質を処方することは慎まねばならない.
 まず,表に示したような下痢の原因を頭において,安静,食事療法とともに乳酸菌製剤や抗コリン剤で数日間経過を観察する.その間に下痢の原因を確かめ,原因疾患の治療と各種止痢剤を使用する.

鼎談

下痢と腸疾患をめぐって

著者: 竹本忠良 ,   平塚秀雄 ,   長廻紘

ページ範囲:P.1427 - P.1437

 長廻(司会)下痢は腹痛,便秘と並んで腸管異常に基づく諸症状のうちで最もポピュラーなものです.本日は下痢についてその方面の権威でいらっしゃる竹本,平塚両先生にいろいろお話をしていただこうと思います.
 最初に,簡単に下痢についてのアウトラインを整理させていただきます.

Current topics

前白血病状態—Myelodysplastic syndromesの診断,臨床像および白血病への進展

著者: 大島年照 ,   天木一太

ページ範囲:P.1475 - P.1486

 前白血病状態という言葉には,白血病になった症例の白血病になる前の状態に対するretrospectiveな使われ方(狭義)と,"白血病になりやすい疾病"ということから,hemopoietic dysplasiaさらにはFAB分類のmyelodysplastic syndromesをも含めたprospectiveな使われ方とがある.
 FAB分類のmyelodysplastic syndromes9)は表1に示したように,5型からなる.これら5型の血液学的な共通性は,1)末梢の血球減少(cytopenias),2)骨髄の正ないし過形成,3)3系統の血球の形態異常(dysplasia)と無効造血(ineffective hematopoiesis)である.refractory anemia with excess of blasts(RAEB)は骨髄中の芽球が5〜20%であり,RAEB in transformation(RAEB in T)は血中の芽球が5%以上,骨髄中の芽球が20〜30%,Auer小体(+)のいずれか1つ以上である.このFAB分類では急性白血病は骨髄中の芽球が30%以上と規定されており,これに達しないものはRAEBまたはRAEB in Tに入れられる.

グラフ 複合心エコー図法

後天性心疾患—弁膜症(3)

著者: 伊東紘一 ,   鈴木修

ページ範囲:P.1442 - P.1444

症例7 47歳,女性
 18歳のときに,リウマチ熱に罹患.その後,心雑音および不整脈を指摘される.さらに心不全をきたしたため精査の結果,心臓弁膜症(中等度の肺高血圧症を有する僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症および軽度の大動脈弁閉鎖不全症)と診断され,僧帽弁置換術(omniscience#27)を受ける.術後評価のため,心エコー図検査を施行した.

胸部X線診断の基礎

撮り方と読み方(8)現像処理の基礎知識

著者: 新野稔

ページ範囲:P.1454 - P.1461

 近年,医療診断技術の進歩により,得られる画像情報は複雑化,高画質価してきている.したがって読影に堪える画像を得るために,写真の現像処理条件の選択は大きな影響をもっている.ことにX線写真がよく撮れないといわれている中に,その原因が現像処理に基づくことが多く,これらの処理条件の知識は正確な画像情報を得るためにも必要とされる.
 X線フィルムの写真処理は,迅速化・機械化された観があるが,基本的事項は手現像の皿現像ならびに自動現像機処理の機械処理においても変化はない.これらの進歩を踏まえて,X線写真処理に関する基礎的事項にふれてみたい.

画像からみた鑑別診断(鼎談)

後腹膜腫瘤(1)副腎癌

著者: 野間健司 ,   多田信平 ,   川上憲司

ページ範囲:P.1462 - P.1474

症例
 患者 45歳,男性.
 主訴 腹痛,背部痛.

演習

目でみるトレーニング(5題)

ページ範囲:P.1447 - P.1453

講座 Oncology・8

抗腫瘍剤—Ⅴ.その他のよく使われる抗癌剤

著者: 北原光夫

ページ範囲:P.1499 - P.1503

Cis-diamminedichloroplatinum(cis-Platinum,cis-DDP,Cisplatin)
 cisplatinは抗腫瘍剤中,重金属を含んだ唯一の抗癌剤である.Rosenbergらによってこのような作用のあることが偶然証明されて以来,1971年に臨床試験にとり入れられ始めた.現在は睾丸腫瘍,卵巣癌,頭頚部癌の治療に広く使用されている.

図解病態のしくみ びまん性肺疾患・8

慢性呼吸不全の管理—在宅酸素療法を中心に

著者: 橋本修 ,   堀江孝至

ページ範囲:P.1505 - P.1512

 慢性閉塞性肺疾患(COLD)の患者では肺構造の不可逆的な変化があり,かつこのような変化は進行性である.これらのCOLDの患者の管理においては残存する肺機能の改善,維持に心がけることが大切で,それによって肺病変の進行を最小限にとどめ,かつ肺疾患にもとづく他臓器障害の発生をある程度予防することができる.
 今回はCOLD患者の管理,とくに近年注目をあつめている在宅酸素療法を中心にのべてみる.

境界領域 転科のタイミング

成人例の先天性心疾患

著者: 内藤泰顕 ,   藤田毅

ページ範囲:P.1487 - P.1491

 先天性心疾患の外科治療の適齢期は,疾患の種類,重症度,複雑性,選択される手術方法,手術成績などによって異なるが,原則として学童期までとするのが妥当であろう.しかし,いろいろな理由によって成人まで放置され,成人に至って初めて外科治療の対象となる疾患も少なくない.これらの疾患は,当然のことながら比較的限られたものであるが,同一疾患でも,幼小児期と異なり,いろいろな合併症を併発し,より重篤な病態を呈してくる.それだけに手術のタイミングが大切である.そこで,主な成人先天性疾患につき,筆者らの手術経験をもとに,各疾患の手術の適切な時期,成人に至っての問題点と手術成績を述べ,内科から外科への転科のタイミングの判断の資料としたい.

ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル

キニジン

著者: 越前宏俊 ,   辻本豪三 ,   石崎高志

ページ範囲:P.1492 - P.1497

 不整脈の至適な治療は,心筋梗塞急性期の死亡率を減少させ1),虚血性心疾患に不整脈を併発している患者では心筋梗塞の発生を減少させる2).しかし,多くの抗不整脈剤は,有効治療域(therapeutic window)が狭く3),またその副作用はたびたび致死的であるから,臨床薬理学の知識に基づく投与計画の作製が必要である.しかしながら不整脈の治療は薬物のみによるものではないことを忘れてはならない.臨床医はまず,その不整脈を増悪または誘発している治療可能な原因を捜し,これを是正するべく務めなくてはならない.心筋の自動能(automaticity)を亢進させる以下の因子4)を常にチェックしよう.

診療基本手技

—研修医のためのノート—処方箋の書き方

著者: 西崎統

ページ範囲:P.1514 - P.1515

 臨床研修がはじまったばかりの頃は,受持患者の薬物療法にあたって薬剤名,投与量,投与方法などは病棟主治医(オーベン),あるいは先輩レジデントの言うがままにただ単に書くだけで,処方箋の書き方をきめ細かく教わることはまずないものと思われる.つまり,これらは耳学問と経験の積み重ねによって身につけてきたものと言える.
 しかし,正しい意味の投薬が患者に行われるためには処方箋の内容,処方略号やそれに関する規定についての基本的な理解が必要である.

当直医のための救急手技・眼科系・2

前眼部疾患の検査,処置

著者: 土坂寿行 ,   清水千尋

ページ範囲:P.1522 - P.1523

 眼科領域の救急診療を行うに当たって,検査,処置の方法は当直医のおかれた環境により,さまざまである.眼科を有する病院では夜間でも必要な検査器械が備わっているが,極端な場合,ペンライト一つで診療に当たらねばならないこともあり得る.本稿では両者の場合を想定して,前眼部疾患の救急診療について記す.
 前眼部疾患の診療に当たっては細隙燈顕微鏡の他,視力測定器機,開瞼器,ブジー,涙洗針,点眼麻酔剤,フルオレス試験紙などが備わっていることが望ましい.細隙燈顕微鏡はスリット状の光を斜方向から前眼部にあて,これを顕微鏡で拡大して観察するものである.その検査範囲は図1に示す如く,眼瞼,結膜,角膜,前房,水晶体,および前部硝子体である.ペンライトで診療にあたる場台は詳細な所見はとれないが,検査の可能な範囲は細隙燈顕微鏡と同様である.では上述の組織別に,前号で記した当院の1年間の救急受診患者414名のうち,主に頻度の高い疾患について述べる.なお検査,処置にあたっては疼痛のため開瞼が困難なことが多く,この時は点眼麻酔を使用すると容易に行える.

新薬情報

レペタン注(Lepetan)〔大塚〕 一般名:塩酸ブプレノルフィン—中枢性鎮痛剤

著者: 水島裕

ページ範囲:P.1520 - P.1521

概略
 レペタン注(塩酸ブプレノルフィン)は,1966年に英国で合成された中枢性鎮痛薬である.レペタンの特長としては,鎮痛作用が強力で,長時間作用すること,類似薬に比べ薬物依存性が低いことなどがあげられる.

臨床メモ

カンジダ感染症

著者: 北原光夫

ページ範囲:P.1519 - P.1519

 Candida感染症は他の真菌症と同様に,日和見感染症の1つと考えられる.また,抗生物質を使用した後に,数多くみられる菌交代症の1つでもある.Candida感染の起こる要因には,抗菌スペクトルの広い抗生物質の長期かつ多量の使用,異物の存在(尿路カテーテル,人工心臓弁,脳室シャント,血管カニューレ),腹部臓器手術,白血球減少あるいは機能異常,患者の基礎疾患(悪性腫瘍,糖尿病)があげられる.
 Candida感染症は,①皮膚粘膜カンジダ症,②深部臓器カンジダ症,③播種性カンジダ症の3つに分けられる.皮膚粘膜カンジダ症には鵞口瘡,カンジダ爪炎,カンジダ腟炎などがあげられる.口腔内あるいは食道のカンジダ症は,ことに白血病患者に多くみられ,これらの例では抗腫瘍剤を使用し,好中球減少があり,粘膜の再生を阻害している状況が存在する.先天的免疫不全の患者(DiGeorge症候群),副甲状腺機能低下症のある例にカンジダ症が合併すると報告されている.また,Candidaに対してのみTlymphocyteの機能異常があり,他の免疫機能は正常である例が稀に報告されている.この症例では,ほんの軽度な皮膚粘膜感染症から,重症なcandida granulomaを形成する例もある.

面接法のポイント・8

面接の実際(1)

著者: 河野友信

ページ範囲:P.1524 - P.1525

 前章までに,医療における面接の基礎的な要点について概説してきたが,つぎに,面接法の実際面について述べる.既述したように,医療の実際場面では,数多くの職種の人が職務に応じて病人に面接するが,この全てを網羅して職種別に面接のあり方を書き分けるのは誌面の都合でできないので,ここでは医学的面接を中心に述べる.
 面接の目的や条件(面接する側と面接される側,それぞれのもっている条件やおかれている状況)により,面接の方法は異なるので,ここではごく一般的な要件について述べる.また,精神分析の自由連想法などのように,面接の方法が公式的に定められているものは除外して考えたい.

天地人

豊後橋今昔

著者:

ページ範囲:P.1517 - P.1517

 朝夕,出退勤のたびに通る豊後橋界隈は,現在,京都と奈良や大阪を結ぶ国道とそのバイパスが交錯し,ひっきりなしに車が行交って,終日,騒音が絶えない交通の要衝である.
 が,一寸脇道にそれると,付近は今も尚,あの幕末の風雲児・坂本龍馬が常宿にしていた旅籠屋「寺田屋」が,昔その儘の船宿の面影を残していたり,又,時に,浪曲「森の石松」で有名な三十石船を復元した淀川下りの観光屋形船が長閑かに川面に浮かんでいたりして,未だにどことなく和やかな古都伏見の情趣が漂う風景を眺めることが出来る.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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