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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻8号

1984年08月発行

文献概要

今月の主題 下痢と腸疾患 下痢の病態生理

cyclic AMP,cyclic GMPと下痢

著者: 兼子俊男1 松谷朗1

所属機関: 1山口大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1364 - P.1365

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 腸管は栄養素の吸収を目的とする臓器であるが,同時に生体における最大の分泌器官でもある.全消化管は成人1日量にして6〜10lの液体の分泌を行うが,通常この大量の分泌物は大部分が小腸で吸収され,盲腸への移行は約500mlで,さらに排便時の水分は100mlとなる.日常臨床で頻繁に遭遇する下痢はこのように大規模な水分の分泌と吸収の均衡が崩れることにより発症するが,その成因はさまざまである.ここでは一部の下痢の発症のmediatorと考えられているcyclicAMP,cyclic GMPの水およびmineralの輸送に及ぼす影響,および下痢との関連について最近の知見を中心にまとめてみた.以下の説明では水の移動について触れないこともあるが,mineralと並行して動くと考えてさしつかえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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