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今月の主題 下痢と腸疾患 腸疾患と下痢
クローン病
著者: 長廻紘1
所属機関: 1東京女子医科大学・消化器内科
ページ範囲:P.1380 - P.1382
文献購入ページに移動 下痢は腹痛とならんでクローン病において最も頻度が高い症状である.クローン病は消化管のどの部位にも生じうる慢性の炎症性疾患であるが,とくに下部回腸,大腸(どちらか一方あるいは両者)が好発部位である.
回腸あるいは大腸の病変がある程度以上の拡がりをもつようになると下痢は必発である.また回腸病変では同時に各種栄養素の吸収障害を伴う.クローン病の診断がついた時点で患者の80〜90%に下痢がみられる.多くは炎症による腸管蠕動亢進,吸収面積減少に伴う単純な下痢である.便の性状は水様のこともあるが,むしろ軟便〜半液状のことのほうが多い.小腸病変が広汎なときはsteatorrheaが加わり,独特の悪臭をもった大量の脂肪下痢をみる.小腸に主病変があるときは下痢回数は1日2〜5行,大腸病変では3〜10行ぐらいといわれる.しかし病変が広汎でまったく下痢がみられないこと,稀には小腸-大腸瘻孔がある症例でも下痢をみないことがある.
回腸あるいは大腸の病変がある程度以上の拡がりをもつようになると下痢は必発である.また回腸病変では同時に各種栄養素の吸収障害を伴う.クローン病の診断がついた時点で患者の80〜90%に下痢がみられる.多くは炎症による腸管蠕動亢進,吸収面積減少に伴う単純な下痢である.便の性状は水様のこともあるが,むしろ軟便〜半液状のことのほうが多い.小腸病変が広汎なときはsteatorrheaが加わり,独特の悪臭をもった大量の脂肪下痢をみる.小腸に主病変があるときは下痢回数は1日2〜5行,大腸病変では3〜10行ぐらいといわれる.しかし病変が広汎でまったく下痢がみられないこと,稀には小腸-大腸瘻孔がある症例でも下痢をみないことがある.
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