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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻8号

1984年08月発行

文献概要

今月の主題 下痢と腸疾患 下痢患者をみたらどうするか

検査法—検査の組み立て

著者: 酒井義浩1

所属機関: 1東邦大学医学部付属大橋病院・消化器診断部

ページ範囲:P.1418 - P.1419

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問診の重要性
 検査法を組み立てる際に,問診は理学的所見とともに重要である.誘因になる飲食物の摂取,下痢に前駆する症状の有無と随伴する症状の消長,下痢の回数,便の色,臭,混入物などについて聴取することにより,概略を推測することは可能である.既往歴が枢要な示唆を与えてくれることもある.肝疾患,膵疾患,甲状腺疾患,糖尿病にはしばしば合併し,胃腸切除,放射線照射,人工透析などが慢性下痢を惹起することも知られている.幼小児期の健康状態は,慢性下痢の例では十分明確にされるべきである.嗜好品(ことにアルコール)が遠因となっていることも少なくない.常用薬や他科での治療内容(ことに抗生物質,制癌剤,消炎剤など)についても聴取すべきである.社会歴や業務内容との関連も明確にしなければならない.心因を評価することは必ずしも容易ではないが,家族に同様症状を有する場合もあり,患者または家族が症状の類似性に気付いていることもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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