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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻8号

1984年08月発行

文献概要

臨床メモ

カンジダ感染症

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院内科 2慶応義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.1519 - P.1519

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 Candida感染症は他の真菌症と同様に,日和見感染症の1つと考えられる.また,抗生物質を使用した後に,数多くみられる菌交代症の1つでもある.Candida感染の起こる要因には,抗菌スペクトルの広い抗生物質の長期かつ多量の使用,異物の存在(尿路カテーテル,人工心臓弁,脳室シャント,血管カニューレ),腹部臓器手術,白血球減少あるいは機能異常,患者の基礎疾患(悪性腫瘍,糖尿病)があげられる.
 Candida感染症は,①皮膚粘膜カンジダ症,②深部臓器カンジダ症,③播種性カンジダ症の3つに分けられる.皮膚粘膜カンジダ症には鵞口瘡,カンジダ爪炎,カンジダ腟炎などがあげられる.口腔内あるいは食道のカンジダ症は,ことに白血病患者に多くみられ,これらの例では抗腫瘍剤を使用し,好中球減少があり,粘膜の再生を阻害している状況が存在する.先天的免疫不全の患者(DiGeorge症候群),副甲状腺機能低下症のある例にカンジダ症が合併すると報告されている.また,Candidaに対してのみTlymphocyteの機能異常があり,他の免疫機能は正常である例が稀に報告されている.この症例では,ほんの軽度な皮膚粘膜感染症から,重症なcandida granulomaを形成する例もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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