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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻9号

1984年09月発行

文献概要

今月の主題 膠原病—最新の知識 理解のための基礎知識

免疫グロブリン

著者: 東隆親1

所属機関: 1大阪大学微生物研究所・免疫化学部門

ページ範囲:P.1534 - P.1535

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 免疫グロブリン(Ig)は,抗原投与によって得られる抗体と,共通する構造をもつ蛋白質に対する総称であって,抗体として,特定の抗原との反応性を見出せなくても,構造上の特徴が,表 に示したものと共通すれば,Igとして分類される.Igの基本的な構造は,2本のH鎖と2本のL鎖が非共有結合とS-S結合によって結ばれた4本鎖構造である(図1).Igには,IgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスが存在し,各クラスのIgの構造は,このような基本構造の範囲内で少しずつ異なっており,これが各クラスのIgに特有な機能発現と密接に関連している.4本鎖構造と同様に重要な構造上の特徴はドメイン構造である.図1に円筒で示してあるのがドメインとよばれる構造単位で,2層のβ-構造がS-S結合で結ばれたimmunoglobulinfoldとよばれる構造をもっている.各ドメインは,それぞれ,独自の機能をもっているが,その機能発現にはドメイン間の相互作用が重要で,VL-VH,CH1-CL,CH3-CH3の間には非共有結合による相互作用が(CH1とCLの間にはS-S結合も存在する),CH2-CH2間には鎖間S-S結合が存在して,ドメイン間相互作用に寄与している.IgGを例に,Igの代表的な機能と構造の関係を述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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