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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻9号

1984年09月発行

文献概要

今月の主題 膠原病—最新の知識 検査

抗核抗体

著者: 秋月正史1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.1554 - P.1559

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 細胞核成分と反応する自己抗体をまとめ抗核抗体と呼ぶ.抗核抗体が検出されるヒトの疾患は多いが,とくに膠原病で詳細な研究が続けられてきた.すなわち,LE細胞現象の発見を端緒とした抗核抗体の研究は螢光抗体法など免疫学的手技の進歩,応用により大きく発展した.膠原病患者血清を用い,多数の抗核抗体が見出され,その臨床意義さらに対応核抗原の性状が明らかにされてきた.とくに抗核抗体の検索は膠原病の診断,予後推測,さらに治療効果の評価など臨床的に有用である.また逆に患者血清中の抗核抗体を用い,細胞核に含まれる高分子物質の同定,機能の解析が行われ,基礎医学や生物学の研究にも有用な情報を与えている.
 本稿ではとくに膠原病の臨床という立場より抗核抗体の臨床的意義につき解説を試みた.とくに多種類の抗核抗体より臨床的意義が明確なものに焦点をしぼつてみた.測定法,成績の解釈など臨床的に注意すべき点にも触れることとした.抗DNA抗体,など,以前よりよく知られているものについては秀れた解説書があるため,簡単に触れることとし,近年見出され,臨床的に重要な抗核抗体を詳細に述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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