icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina22巻1号

1985年01月発行

今月の主題 心不全診療の動向

心不全の病態生理

腎機能,内分泌系

著者: 長村好章1

所属機関: 1東京都立府中病院・内科循環器科

ページ範囲:P.14 - P.16

文献概要

 心不全の病態生理における腎機能と内分泌系の果たす役割については数多くの研究がある.すなわち心不全に伴う浮腫の発生機序として,静脈圧の上昇,腎血流量の減少,腎尿細管での水,Na再吸収増加,体内貯留という現象がみられ,腎が心不全時の浮腫発生の過程に重要な役割を演じていることは明らかにされている.さらに腎を含め,浮腫を発生させる因子として,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系,ADHなどのホルモンや,交感神経緊張などが複雑に関与していると考えられている.しかし糸球体濾過値(GFR)の低下なしに著明なNa貯留が起こりうること,副腎を摘出した実験心不全犬においてもNa貯留が起こることが知られており,GFRの低下や,アルドステロンの上昇が,腎における水,Naの排泄障害に本質的あるいは不可欠な機序とはいえず,未だ不明な点も多い.
 本稿では心不全にみられる体液貯留の機序を中心に,腎機能,内分泌系がどのように関与しているかを述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら