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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻1号

1985年01月発行

文献概要

今月の主題 心不全診療の動向 他の障害を有する心不全

腎不全

著者: 長村好章1

所属機関: 1東京都立府中病院・内科循環器科

ページ範囲:P.61 - P.63

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 腎不全と心不全とでは,体内に水,電解質が貯留する点では共通点をもっている.また心不全では心拍出量の減少により腎灌流圧は低下し,GFRも低下する.中等度までの心不全では,糸球体輸出動脈の収縮によりGFRが増加する方向に働き,腎機能障害も可逆的である.しかし長期に及んだ重症心不全では糸球体輸出,輸入動脈ともに収縮し,萎縮腎として血清クレアチニン,尿素窒素が上昇し不可逆的となる例もみられる.このように心不全では心拍出量低下に伴う見かけ上の腎機能低下と,器質的腎障害の鑑別が臨床上問題となってくる.そこで本稿では腎不全と心不全の循環動態の相違を明らかにし,さらに腎不全を伴った心不全の治療について,最近の経験をふまえて述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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