文献詳細
文献概要
--------------------
外来診療Q&A
著者: 笠貫宏1
所属機関: 1東京女子医大・心研内科
ページ範囲:P.154 - P.156
文献購入ページに移動A 近年,頻脈性不整脈に対する薬物療法は著しく進歩した.新しい強力な抗不整脈薬の開発に加え,不整脈の発生機序および抗不整脈薬の電気生理学特性と作用機序の研究,薬物動態学と薬力学の臨床導入および臨床電気生理学的検査1)やホルター心電図による薬効評価法の進歩などがあげられる.しかし抗不整脈薬の適応,薬剤の選択,投与量,投与間隔などの的確な決定は,現在なお必ずしも容易ではない2).さらに,慢性経口投与をいつまで継続するかを決定することは非常に困難なことである.医師の経験と知識による"匙加減"と個々の患者の選択に依存しているのが現状といえる.以下,抗不整脈薬をいつまで服用すべきかについての考え方を概説する.慢性経口投与の際の思考過程は図に示すごとく,第1にその目的を明確にし,第2にその必要性が絶対的か相対的かを検討し,第3に長期投与のdemeritと問題点を認識することである.それらを総合判断することによって慢性経口投与の適応,方法の決定,さらに投与中にも常にその再評価が試みられる.
掲載誌情報