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コレスチラミン(Colestyramine)—高コレステロール血症治療剤—商品名:クエストラン〔ブリストル・マイヤ—ズ〕
著者: 水島裕1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科
ページ範囲:P.176 - P.177
文献購入ページに移動 概略 コレスチラミンは,強塩基性の陰イオン交換樹脂であり,"高コレステロール血症"や"部分的胆道閉塞に伴う掻痒症"などの治療薬として,1960年代後半から米国をはじめとする世界各国において使用されてきた薬剤である.本剤は,腸管内で胆汁酸を吸着し,吸収されずにそのまま糞中へ排泄されるという特異な薬理作用と,海外での長年にわたる臨床使用で認められた有効性および安全性などから,本邦でも以前から注目されていた.本剤は,血中コレステロールを著明に低下させ,従来の治療法ではあまり効果がなかった家族性高コレステロール血症にも有効である.
化学と作用機序 コレスチラミンの化学構造は,図1に示したとおりで,ポリスチレン骨格にトリメチルアンモニウムメチル基が付加したものの塩素型である.この塩素イオンが腸管内で胆汁酸と置換して吸着し,その糞中排泄童を増大させるとともに食中コレステロールの吸収を阻害する.この胆汁酸腸肝循環の阻害は,肝における胆汁酸合成の律速酵素であるcholes-terol7α-hydroxylaseの活性を上昇させ,コレステロールの異化を亢進させる.それゆえ,肝は血中からのコレステローしの取り込みを促進する.それは主としてコレステロールに富む低比重リポ蛋白(LDL)のレセプターを介した取り込み促進であり,その結果,血中コレステロール,とくにLDL中のコレステロールが低下する.
化学と作用機序 コレスチラミンの化学構造は,図1に示したとおりで,ポリスチレン骨格にトリメチルアンモニウムメチル基が付加したものの塩素型である.この塩素イオンが腸管内で胆汁酸と置換して吸着し,その糞中排泄童を増大させるとともに食中コレステロールの吸収を阻害する.この胆汁酸腸肝循環の阻害は,肝における胆汁酸合成の律速酵素であるcholes-terol7α-hydroxylaseの活性を上昇させ,コレステロールの異化を亢進させる.それゆえ,肝は血中からのコレステローしの取り込みを促進する.それは主としてコレステロールに富む低比重リポ蛋白(LDL)のレセプターを介した取り込み促進であり,その結果,血中コレステロール,とくにLDL中のコレステロールが低下する.
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