文献詳細
新薬情報
コレスチラミン(Colestyramine)—高コレステロール血症治療剤—商品名:クエストラン〔ブリストル・マイヤ—ズ〕
著者: 水島裕1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科
ページ範囲:P.176 - P.177
文献概要
化学と作用機序 コレスチラミンの化学構造は,図1に示したとおりで,ポリスチレン骨格にトリメチルアンモニウムメチル基が付加したものの塩素型である.この塩素イオンが腸管内で胆汁酸と置換して吸着し,その糞中排泄童を増大させるとともに食中コレステロールの吸収を阻害する.この胆汁酸腸肝循環の阻害は,肝における胆汁酸合成の律速酵素であるcholes-terol7α-hydroxylaseの活性を上昇させ,コレステロールの異化を亢進させる.それゆえ,肝は血中からのコレステローしの取り込みを促進する.それは主としてコレステロールに富む低比重リポ蛋白(LDL)のレセプターを介した取り込み促進であり,その結果,血中コレステロール,とくにLDL中のコレステロールが低下する.
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