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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻10号

1985年10月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス 全身性疾患と腎:発生病理と臨床

全身性エリテマトーデス(SLE)

著者: 長沢俊彦1

所属機関: 1杏林大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1750 - P.1751

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ループス腎炎の発生病理
 ループス腎炎は,流血中のDNA-抗DNA抗体を主とする免疫複合体(IC)が糸球体の内皮下,上皮下,メサンギウムのいずれか1個所,もしくは複数個所に沈着することが発症の第1段階と考えられる.SLEはB細胞の機能亢進により抗DNA抗体,その他の自己抗体の産生増加,ひいてはICの産生の亢進が根幹にある疾患であると同時に,補体によるIC可溶化能の欠陥と網内系機能不全によりIC処理能力が低下して,流血中にICが停滞しやすい条件も一方では整っている疾患である.一方,動物実験で流血中のICは,charge,sizeなどの条件さえ整えば,上皮下,内皮下,メサンギウムのいずれの部位にも沈着せしめうることも明らかにされている1).しかし,SLEの糸球体内のICがDNA-抗DNA抗体のICのみであるとはまだ言い切れないし,すべての流血中のICが糸球体に沈着するわけではない.
 一方,最近膜性腎症の動物モデルを中心として,in situ IC形成説が盛んである.ループス腎炎の中にも膜性腎症型があるし,最近のモノクロナール抗DNA抗体を用いた研究では,DNAは糸球体基底膜の主要polyanionであるproteoglycanと親和性のあることが明らかにされている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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