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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻10号

1985年10月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス 治療の進歩

腎血管性高血圧

著者: 猿田享男1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.1792 - P.1793

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 腎血管性高血圧は,二次性高血圧の代表的疾患であり,早期に発見して腎血管の狭窄を改善させれば,完全に治癒させうる高血圧である.それゆえ,以前より手術による腎血管再建術,腎の自家移植術さらに腎摘出術などが第1の治療法とされてきた.しかしこれまでの成績をみると,手術が施行された10〜20%の症例では血圧があまり低下せず,手術の効果がみられていない.このような症例では,腎動脈狭窄があってもその狭窄が高血圧の発症・維持と関係していないためか,高血圧となってからの期間がかなり長期となり,細動脈壁の変化など高血圧の二次的変化が進行してしまい血圧が低下し難いのか,あるいは本態性高血圧の合併例であったりする.
 このように手術によっても高血圧の改善がみられぬ症例がかなりあることから,近年開発された腎血管に対する経皮的血管拡張術(percutaneous transluminal angioplasty:PTA)は侵襲が少なく,効果も良好であり,腎血管性高血圧の第1の治療法となってきた.このような治療法に加え,腎血管性高血圧における血圧上昇ときわめて密接な関係にあるレニン・アンジオテンシン(R-A)系を抑制するアンジオテンシン変換酵素阻害剤(CEI:カプトプリルなど)の登場は,内科的にもこの高血圧の治療法を大きく変えてしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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