文献詳細
文献概要
今月の主題 生体防御と感染症 外界と接触する臓器の防御反応
消化管における感染防御反応
著者: 大貫寿衛1
所属機関: 1国際親善総合病院
ページ範囲:P.1956 - P.1957
文献購入ページに移動特異的防御反応
免疫学的な特異反応の主役はIgAである.血清IgAが多少分泌に加わることは動物ではみられているが,ヒトでは明らかでなく,腸管で感染防御の働きを示すIgAは粘膜固有層内の形質細胞で作られる.この形質細胞は腸管のリンパ組織に由来するものと考えられており,IgA産生性形質細胞はIgG産生性形質細胞の20〜30倍存在するという.そしてIgAは同じ形質細胞内で作られるJ鎖によって二量体(dimer)を形成し,さらに粘膜細胞内で作られる分泌因子(secretory component;SC)の結合によって分泌型のsIgAとなる(図).SCは糖蛋白で,多量体の免疫グロブリンと結合し,これを粘膜表面に輸送することと,これを酵素などによる蛋白分解から守ることの2つの機能を持っている.
免疫学的な特異反応の主役はIgAである.血清IgAが多少分泌に加わることは動物ではみられているが,ヒトでは明らかでなく,腸管で感染防御の働きを示すIgAは粘膜固有層内の形質細胞で作られる.この形質細胞は腸管のリンパ組織に由来するものと考えられており,IgA産生性形質細胞はIgG産生性形質細胞の20〜30倍存在するという.そしてIgAは同じ形質細胞内で作られるJ鎖によって二量体(dimer)を形成し,さらに粘膜細胞内で作られる分泌因子(secretory component;SC)の結合によって分泌型のsIgAとなる(図).SCは糖蛋白で,多量体の免疫グロブリンと結合し,これを粘膜表面に輸送することと,これを酵素などによる蛋白分解から守ることの2つの機能を持っている.
掲載誌情報