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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻11号

1985年11月発行

文献概要

今月の主題 生体防御と感染症 日和見感染症

補体欠如と感染症

著者: 矢田純一1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部・小児科

ページ範囲:P.1992 - P.1993

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補体系とその活性化の概略
 抗体が抗原(細菌)と結合すると,そのFc部に補体第1成分が結合し活性化される(Clq・Clr・Cls).補体第4成分(C4)はClsによって分割されC4aとC4bになり,C4bは抗体に結合する.補体第2成分(C2)はC4bに結合し,Clsの作用でC2aとC2bに分割され,C2aがC4bに結合したまま残る.C4b・C2a複合体は補体第3成分(C3)を分割しC3aとC3bとにする.C3bは細菌膜に結合する.C3bに第5成分(C5)が結合し,C4b・C2a・C3b複合体の作用でC5aとC5bに分割され,C5bの多くは細菌膜に結合する.C5bは第6,第7成分(C6,C7),ついで第8,第9成分(C8,C9)を結合しC5b〜9の細胞膜破壊構造を形成する.このように第1成分から逐次活性化されるルートを古典経路という.
 C3の一部はB因子の結合を受ける状態になっている.それにはD因子が作用してB因子をBaとBbに分割する.C3・Bb複合体はプロペルジンで安定化する.これはC3に作用しC3a,C3bに分割する.C3bは1因子とH因子の作用によりただちに不活化され,反応はそれ以上進まない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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