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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻11号

1985年11月発行

講座 図解病態のしくみ 腎臓病・11

尿路結石

著者: 高市憲明1 黒川清1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.2081 - P.2086

文献概要

 尿路結石は,多くは突然の腹痛,腰背部の激痛発作で現れることが多いが,疼痛の有無にかかわらず尿路の閉塞をきたしたり,感染をひき起こしたりする.尿路結石はまた無痛性の血尿,尿路感染症などの検索中に発見されることもある.結石は自然に排泄されることもあるが,外科的処置を必要とすることがあり,時には腎摘出を必要とすることもある.結石に伴う閉塞性腎症,腎盂腎炎,腎実質障害などから尿路結石症が腎不全の原因となることもある.尿路結石は初回発見時,適切にとり除かれ,あるいは排泄されたとしても,その後とくに何も対策をとらずに放置した場合,5〜10年以内に50〜60%以上の再発が認められる.一方,適切な治療がなされると劇的に再発率を低下させることが可能である.したがって尿路結石の病態生理を理解することは,治療を考える上でもきわめて重要である.今回は,主として病態生理に重点をおいて尿路結石について解説し,さらに治療に関しても簡単に触れる.
 尿路結石は,その構成成分から分類して,主として表1に示したようなものに分けることができる.この頻度については,本邦を含めた欧米先進国での成績には大きな違いはないようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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