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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻12号

1985年12月発行

臨時増刊特集 エコー法の現況

Ⅱ 診断と治療への応用 B 腹部エコー法

48.腎疾患—慢性腎不全

著者: 加藤謙吉1

所属機関: 1自治医科大学・透析センター

ページ範囲:P.2358 - P.2362

文献概要

検査の手順とポイント
 ①装置 リニア電子スキャン装置(3.5〜5MHz)は比較的自由に操作できるため通常使用されるが,多発性嚢胞腎のような腫大した腎の全体像把握には,コンタクトコンパウンド装置を用いることもある.また,肋骨・骨盤の影響を少なくするためには,セクタスキャン装置,コンベックス電子スキャン装置も併用される.
 ②走査方法 仰臥位,必要によって半側臥位とし,側腹部から腎の前額断走査(coronal scan)を行う.これはとくに右腎の描出に肝臓をacoustic windowとして用いることができ,右腎の鮮明な描出や肝・腎コントラストの比較,さらに右腎動静脈の描出などに適している.左腎については症例によって異なるが,一部脾臓を利用することによって脾と左腎のコントラストを比較することもできる.これら肝・右腎,脾・左腎コントラストの比較は,びまん性腎疾患を観察する上でとくに重要となる.さらに腹臥位とし,背部から縦断面走査(longitudinal prone scan)および横断面走査(transverse scan)を腎全域にわたり行い,ごく小さな病変も見逃さないようにする.ところで腎は呼吸性に移動するので,腎上極は一般に深吸気の状態で観察し,時に下垂腎の下極観察は呼気の状態で観察することもある.また,臥位から立位への体位変換によって腎の移動範囲を観察し,腎下垂の判定にも利用できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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