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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻13号

1985年12月発行

文献概要

今月の主題 めまいの臨床 めまい・平衡障害の診断

めまい診断のための問診

著者: 吉本裕1

所属機関: 1帝京大学医学部・耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.2562 - P.2566

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患者の訴えるめまいは医学的定義にも該当するめまいか否か
 めまいの定義は枚挙にいとまがない位多いが,大同小異である.著者は,「めまいとは空間における身体に関する見当識(すなわち,空間識)の障害の自覚」と定義している.ただし,患者の訴えるめまいのなかに,必ずしもこのような医学的定義にあてはまらないものも含まれている.患者の訴えるめまいという観点からめまいを分類すると,表1のようになる.医学的定義にあてはまるめまいには,回転感,浮動感などといった訴えが含まれる.
 患者の訴える症状がめまいか否かという問題について,Alpers(1960)のことばをここに記しておく.すなわち,"めまいとは無関係な紛れやすいほかの症状と混同しないようにするためには,めまいの定義をつねにしっかり念頭においておくことが必要である.しかしながら,患者自身はめまいの定義については知らないので,医師の側から答えを引き出す必要がある.この場合,患者のいうめまいが何を意味するかを注意深く記録することが最も重要である.患者の訴えを正確に知るために,問診に多くの時間や努力を費やしても決して無駄ではない.なんとなれば患者の訴えている症状が医学的にもめまいに該当するものであるか否かによって,当然,引き続いて行う問診や諸検査の方針もそれに沿って変えてゆかなければならないのである"

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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