icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina22巻2号

1985年02月発行

文献概要

今月の主題 筋疾患とその周辺 神経原性筋萎縮と筋疾患の鑑別および両者にまたがる疾患群

Werdnig-Hoffmann病

著者: 瀬川昌也1

所属機関: 1瀬川小児神経学クリニック

ページ範囲:P.285 - P.287

文献購入ページに移動
 19世紀末にWerdnig1,2)とHoffmann3)は,生後5〜7月に筋緊張低下および筋力低下を主徴として発症,進行性の経過をとり,3〜7歳,発症後1〜4年で死の転帰をとることを特徴とし,病理学的には脊髄前角細胞の変性と脱落を主病変とする小児例をそれぞれfrühinfantile progressive spinale Atrophie2),あるいはhereditäre progressive spinale Muskelatrophie im Kindesalter3)として報告した.これがWerdnig-Hoffmann病(以下W-H病)の病名の由来となる.しかし,WerdnigとHoffmannの報告例では,乳児期に死亡した症例のないこと,また,生下時から乳児期前半は異常を認めず,正常の運動機能の発達を示すことが強調されたため,同様の臨床像を示しながら乳児期早期に発症する症例には別の病名が付されていた.しかし,1927年のGreenfieldとStern4)の病理学的検討により,この多くは生下時あるいは胎生期に発症し,急性の経過をとるW-H病であることが初めて明らかにされた.一方,Wohlfart5)およびKugelbergとWelander6)の報告は,幼児期前半から思春期にかけて発症し,緩慢な経過をとる脊髄性筋萎縮症のあることを明らかにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?