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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻2号

1985年02月発行

文献概要

今月の主題 筋疾患とその周辺 神経原性筋萎縮と筋疾患の鑑別および両者にまたがる疾患群

Kugelberg-Welander病

著者: 塚越廣1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.288 - P.289

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Kugelberg-Welander病とその歴史
 Kugelberg-Welander(K-W病)は筋ジストロフィーに類似する近位性筋萎縮が1,2歳から思春期に起こり,筋電図,筋生検で神経原性変化を認め,常染色体劣性,ときに優性遺伝を示す緩徐進行性,良性の脊髄性筋萎縮症である.
 歴史的にみると,19世紀後半には脊髄性筋萎縮は四肢遠位筋の萎縮が強く,線維束攣縮があり,進行性筋ジストロフィーは近位筋萎縮が強く,線維束攣縮はないとされていた.しかし,筋ジストロフィーを思わす近位性筋萎縮例に線維束攣縮を認めるという報告が相次ぎ,筋ジストロフィーと脊髄性筋萎縮症との移行型,前角細胞障害を伴う筋ジストロフィー,ミオパチーと脊髄性筋萎縮症との中間型などと呼ばれていた.1895年には脊髄性筋萎縮症の剖検報告があり,その臨床像が筋ジストロフィーに類似するとされたが,あまり注目されなかった.1942年Wohlfartは同様な症例を報告し,筋生検で神経原性変化を示すことを認め,筋ジストロフィーとCharcot-Marie-Tooth病との中間型とした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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