文献詳細
文献概要
グラフ 胸部X線診断の基礎
撮り方と読み方(14)
著者: 新野稔1
所属機関: 1放射線科新野医院
ページ範囲:P.324 - P.329
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胸部正面背腹像
右肺門部の下部において,心右縁を底辺とし,頂点を右側胸壁にした三角状の異常陰影が認められる.この陰影は心右縁下部,心右縁第2弓を鮮明にみることが不可能である.境界の不鮮明な所見をsilhouettesignといい,心右縁第2弓に接する肺野の病変の存在を示唆している.気管支の走行を追ってゆけば,中葉気管支の位置するところになる.したがって,この所見は中葉病変を示している.三角形の異常陰影の中には,肺血管を透見することが可能であり,血管,気管支を追えば右下葉の構造が解明される.
右横隔膜の挙上,縦隔の偏位,および右肺門部の下降を認めるが,胸郭の変形は著明でない.
胸部正面背腹像
右肺門部の下部において,心右縁を底辺とし,頂点を右側胸壁にした三角状の異常陰影が認められる.この陰影は心右縁下部,心右縁第2弓を鮮明にみることが不可能である.境界の不鮮明な所見をsilhouettesignといい,心右縁第2弓に接する肺野の病変の存在を示唆している.気管支の走行を追ってゆけば,中葉気管支の位置するところになる.したがって,この所見は中葉病変を示している.三角形の異常陰影の中には,肺血管を透見することが可能であり,血管,気管支を追えば右下葉の構造が解明される.
右横隔膜の挙上,縦隔の偏位,および右肺門部の下降を認めるが,胸郭の変形は著明でない.
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