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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻2号

1985年02月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 腎臓病・2

慢性腎不全—ナトリウム,カリウム,水のバランス

著者: 張漢佶1 内田俊也1 黒川清1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.355 - P.360

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慢性腎不全の概念
 腎は水,電解質など体液全般の恒常性を維持する臓器であるだけでなく,種々ホルモンの分泌,あるいは代謝を行う臓器でもある.したがって腎機能障害時には,各種の水,電解質代謝異常のほか,広範な他臓器の機能障害をも合併する.腎機能障害が急性に進行する場合と慢性に進行する場合とでは,臨床所見に違いがあるが,総じて慢性の方が他臓器の機能障害の合併所見を顕著に認める.
 慢性腎不全の定義は,国際用語委員会によると,「慢性腎不全とは腎の排泄能,調節能の障害をきたす種々の病理学的変化により生ずる症候群で,月または年の単位にわたって進行し,最終的には尿毒症に陥るものを言う.腎不全の進行は蛋白代謝産物の貯留(高窒素尿症)や多くの生化学的異常,貧血を含む臨床症状を伴うことが特徴である.」としている.このような慢性腎不全進行の理解の助けとするために,Seldinらの4期分類を紹介する(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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