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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻3号

1985年03月発行

文献概要

PROFESSORS FROM ABROAD

ビタミンD最近の話題

著者: 北原光夫2

所属機関: 1 2済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.512 - P.516

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カルシウム代謝とホルモン(ビタミンD)
 血清カルシウム値は非常に安定しており,常に一定の範囲を保っている.カルシウムは腸から吸収され,細胞外液中に入ってゆく.さらに,血清カルシウムは骨へ移行するとともに肺,肝,筋肉のような石灰化していない臓器へも移行する.また,カルシウムは腎糸球体から排泄されて尿中に現れる.この体内におけるカルシウム代謝は多くのホルモンによって影響されており,その最も重要なホルモンは副甲状腺ホルモン(PTH)である.PTHは骨のカルシウム代謝,腎における代謝に直接関与しており,また間接的に腸のカルシウムの吸収に影響している.骨におけるPTHの作用はカルシウムの再吸収(resorption)であり,これは破骨細胞(osteoclast)の活性化による.腎でのPTHの働きは3つに分けられる.つまり尿細管のカルシウム再吸収促進,リンのクリアランスの増加と,ビタミンDの活性化型合成酵素の増加である.
 次にカルシウム代謝に関与している重要なものはビタミンDである.ビタミンDは腎,骨に作用するが,腸におけるビタミンDの役割が最も重要なものである.腸においてビタミンDはカルシウム結合蛋白の増加をもたらし,粘膜からのカルシウム吸収を多くするように作用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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