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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻3号

1985年03月発行

文献概要

感染症メモ

皮膚にみられる日和見感染症

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科 2慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.540 - P.540

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 皮膚は一般に細菌の侵入に対して非常に抵抗力があるが,この抵抗力は非特異的なものである.つまり,角皮層は微生物の侵入を抑えるし,乾燥している皮膚は湿潤さを必要とする好気性グラム陰性桿菌,カンジダの成長を抑える.さらに皮膚の常在菌叢が病原菌の定着(colonization)を抑える.したがって,正常な免疫機能をもっていても上述のいずれかが破綻をきたすと,感染を起こすことは容易に考えられる.例として,火傷による皮膚の欠如,あるいは点滴カニューレによる皮膚の損傷などは感染を起こしやすい.
 それでは,compromised hostではどのような感染がみられるか述べてみる.最初に典型的な皮膚感染症があげられる.compromised hostではgroup A streptococciやStaphylococcus aureusによる感染は正常者より多くみられるし,好中球減少症が存在するとグラム陰性桿菌による蜂窩織炎もみられるようになる.さらに細胞性免疫が低下すると,クリプトコッカス,カンジダによる蜂窩織炎もみられる.したがって,培養を行う場合には,真菌や珍しい細菌の可能性を考慮して,検査室へ連絡しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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