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文献概要
今月の主題 免疫反応と臓器疾患 免疫機構と応答
細胞性免疫の機序
著者: 中村玲子1
所属機関: 1国立予防衛生研究所・細胞免疫部
ページ範囲:P.776 - P.781
文献購入ページに移動 免疫とは元来疾病に対し抵抗性を獲得した状態を意味する言葉であったが,現在では疾病とは関係なく,生体において「自己(self)」が「非自己(non-self)」を認識する結果起こる反応を免疫反応と言っている.非自己抗原が細菌やウイルスのような病原体であれば,免疫は病気に対する抵抗性として表現される.接触過敏症は化学物質に対する生体の免疫応答の一型である.免疫が成立した状態を感作された状態というが,このような生体(感作生体)が感作された抗原を再び認識して急速な反応を起こすことがいわゆるアレルギーである.
アレルギーは,かつて即時型と遅延型に分類され,非自己抗原の再刺激に対し短時間で反応する前者は体液性免疫によるもので,再刺激後1〜2日の時間をおいて発現する後者は細胞性免疫によるものと説明された.この呼び方はいまでもよく用いられるが,アレルギーの分類としては,現在ではI型からV型までの5種類に分類されている.I,II,III,V型は体液性免疫反応で,感作血清によって受身伝達が可能である.IV型アレルギーは血清によって伝達できず,感作リンパ球(T細胞)による受身伝達が可能な細胞性免疫反応である.
アレルギーは,かつて即時型と遅延型に分類され,非自己抗原の再刺激に対し短時間で反応する前者は体液性免疫によるもので,再刺激後1〜2日の時間をおいて発現する後者は細胞性免疫によるものと説明された.この呼び方はいまでもよく用いられるが,アレルギーの分類としては,現在ではI型からV型までの5種類に分類されている.I,II,III,V型は体液性免疫反応で,感作血清によって受身伝達が可能である.IV型アレルギーは血清によって伝達できず,感作リンパ球(T細胞)による受身伝達が可能な細胞性免疫反応である.
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