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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻5号

1985年05月発行

文献概要

ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル

アスピリン(Aspirin)

著者: 辻本豪三1 越前宏俊2 石崎高志2

所属機関: 1山梨医科大学・薬理学 2国立病院医療センター・臨床薬理学

ページ範囲:P.940 - P.946

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 現在,多くのサリチル酸(Salicylic acid)製剤が使用されているが,本稿では中でも特に頻用されているアスピリン(Aspirin)(Acetylsalicylic acid)を中心に述べる.アスピリンは今世紀初頭に,そのprodrugのサリチル酸の苦味,胃障害を克服する目的で合成された.すなわち,生体内で加水分解され,薬理学的に活性なサリチル酸に変化するよう設計,合成された.そのもくろみ通りに,アスピリンは服用されると肝臓で強力な加水分解を受け(いわゆる"first pass効果"により),速やかにサリチル酸となる.したがって,その血中濃度モニタリングはサリチル酸濃度によって行われる.本稿で取り上げるサリチル酸の血中濃度モニタリングは,アスピリンのみならず,他のサリチル酸製剤にも適応される.
 アスピリンは,過去100年近く,鎮痛,解熱,また非ステロイド系消炎薬として,広く使用されてきているが,その至適投与が可能となったのは,薬物動態が明らかになった,つい最近のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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