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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 臨床のみかた

肝臓を侵すその他のウイルス

著者: 三宅和彦1 糸数憲二1

所属機関: 1帝京大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.996 - P.997

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 肝を侵すウイルスのうちA型,B型,非A非B型肝炎ウイルスが主として肝を標的器官にしているため,いわゆる肝炎ウイルスとして知られているが,実際にはほとんどのウイルスの急性感染症には程度の差はあれ一過性の肝障害を伴っていることが多い.肝炎ウイルス以外の肝を侵襲するウイルスには表1に示すような種々のウイルスがあるが,日常診療上留意すべきウイルスとしてEpstein-Barrウイルス(EBウイルス),サイトメガロウイルスが代表的ウイルスであるので,ここではこれらを中心に述べ,他のウイルスについての詳細は他の成書(文献1,2)を参照されたい.
 周知の通り非A非B型肝炎ウイルスは感染の同定ができず,このウイルスによる肝炎は除外診断によるのが現状である.臨床経過が良好な“非A非B型急性肝炎”には肝炎ウイルス以外のウイルス感染も考慮されるべきである.そのほか最近注目されている後天性免疫不全症候群(aquired immunodeficiency syndrome,AIDS)では高頻度に肝障害を伴っており,その起因ウイルスとされるHTLウイルス(Ⅲ型)が将来ウイルスリストに加えられることであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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