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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 さまざまな病態

ウイルス肝炎の慢性化

著者: 戸田剛太郎1 池田有成1 岡博1

所属機関: 1東京大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1012 - P.1015

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 現在,肝炎ウイルスにはA型,B型,非A非B型,D型(δ因子)がある.このうち,非A非B型はウイルスの分離がなされていず,その本態も不明である.また,A型肝炎ウイルスについては持続性感染の成立は知られていない.
 ウイルス肝炎が慢性化するかどうかは,ウイルスと宿主の相互作用によって決定されるが,慢性化については現在2つの考え方がある.1つは,慢性化の背景にはウイルス持続感染が存在するという考え方である.もう1つは,ウイルス感染をきっかけとして肝細胞を標的とする自己免疫反応が成立し,持続性の肝細胞障害が起きるとする考え方である.後者の考え方によればウイルスは単にきっかけを与えるに過ぎず,持続感染の必要はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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