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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 さまざまな病態

B型肝炎ウイルスの肝細胞DNAへの組み込み

著者: 三田村圭二1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.1020 - P.1021

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 B型肝炎ウイルス(HBV)感染と原発性肝細胞癌(肝癌)との関連性は疫学的,臨床的に認められていたが,遺伝子操作による組み換えHBVDNAを用いたmolecular hybridizationの方法により,HBVのDNAがHBVキャリアに発生した肝癌,さらにこれら肝癌由来培養細胞の染色体DNAに組み込まれていることが明らかにされた.動物腫瘍ウイルスによるtransformationにさいして,ウイルス核酸の染色体DNAへの組み込み(integration)がみられることから,HBVと肝癌との関連性が新たに遺伝子の次元で検討されるようになった.さらに,肝癌患者の非癌部肝細胞,肝癌を合併していないHBVキャリアの肝細胞の染色体DNAにもHBVDNAの組み込みが報告され,HBVDNAの肝細胞における存在様式と,その意義が検討されている.さらに,インターフェロンなどの抗ウイルス剤によるHBVキャリアの慢性肝炎の治療が試みられているが,HBVDNAの肝細胞における存在様式は種々薬剤による治療の適応と効果,さらにその意義と限界とに密接に関連すると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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