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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 効果的予防法

肝炎ウイルスの消毒

著者: 遠山博1

所属機関: 1東京大学医学部・輸血部

ページ範囲:P.1024 - P.1025

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 肝炎ウイルスの消毒法の効果を立証することは至難なことである.従来,①retrospectiveな疫学的解析,②抗原性失活実験,③ボランティアによる人体実験,④チンパンジー実験の4法が組み合わされている.③,④が最も信頼される.①は従来欧米で歴史的に案外に評価され,②では,Bondら(1977)が,抗原力を完全に失わせることはウイルスにきわめて大きな物理的・化学的打撃を与えることで,感染力はとくに失っていてもなお抗原性は維持している.そのため抗原性を失活させるか,大幅に低下させれば消毒効果を証明したことになるとした.④チンパンジーはきわめて高価でしかも入手困難となっており,薬品消毒の場合,薬品の種類・濃度・作用時間および温度などの組み合わせが無数になって,そのしっかりした実験立証は至難なことになって来ている.消毒法の研究マーカーではHBs抗原を用いて,その効果で他の肝炎ウイルスに対する影響を類推する.消毒法には物理的方法(主として加熱)と化学的方法(薬剤)とがあることは申すまでもない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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