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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 効果的予防法

B型肝炎ワクチン

著者: 飯野四郎1

所属機関: 1東京大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1028 - P.1029

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 B型肝炎ウイルス(HBV)感染には一過性感染と持続性感染がある.一過性感染では急性肝炎が劇症化することがあり,また,持続性感染では一部の人が慢性肝炎,肝硬変,肝細胞癌へ至る道筋があることから,その予防は重要な課題である.日本では持続性感染の主な原因がHBe抗原陽性の母親からその児への母児間感染であることが明らかにされており,今年度から国家的規模でその予防が行われることになっているが,これにより数十年後には日本からHBVが一掃されるものと期待されている.その主役がこのHBVワクチンである.
 HBV感染はウイルス感染であることから,ワクチンによる予防が可能であることは,HBV発見以前から指摘され,最初にKrugmanによって加熱血清投与が試みられ,その後に,HBs抗原を精製し,次いで不活性化処理を行う本格的なHBVワクチン作りが世界各国で行われた.HBV発見から10年を経ずしてワクチンは実用化され,日本でも,昨秋,製造許可承認がなされて,今秋からは一般使用が可能になると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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