icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 効果的予防法

B型肝炎の予防—受動免疫による予防

著者: 馬場清1

所属機関: 1東京都臨床医学総合研究所・肝炎研究室

ページ範囲:P.1030 - P.1031

文献購入ページに移動
 高力価HBs抗体含有γ-グロブリン(HBIG)によるB型肝炎ウイルス感染に対する受身免疫はKrugman1)らの1971年に行った人体実験が最初であり,彼らはMS-2株血清(B型肝炎ウイルス含有血清)の接種実験においてHBIG投与群の70%がHBウイルス(HBV)に罹患せず,HBIGの非投与の対照群全員が,発症したことよりHBIGの有効性を指摘した.その後各国において,HBVの感染の機会が多い透析患者,医療従事者などに対してHBIGの投与が試みられ,その有効性が確認されてきた.現在,わが国においても周知の如く,HBVの汚染事故に対して,HBIGの投与が肝炎連絡協議会のB型肝炎医療機関内感染対策ガイドラインに沿って施行されている.ここではHBVの汚染事故の対処がどのように行われているか,また,その効果について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?