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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 治療—その効果と限界

B型慢性肝炎—インターフェロン療法

著者: 加登康洋1 樋上義伸1 鵜浦雅志1 小林健一1 服部信1

所属機関: 1金沢大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1039 - P.1041

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 B型慢性肝炎に対して現在行われている治療法としては,その作用機序の面から次の2種類に大別される.ひとつは宿主の免疫能を賦活し,ウイルス排除機構を正常化または増強しようとする免疫療法であり,他の1つは,ウイルスの増殖を抑制することによりウイルスを排除しようとする抗ウイルス療法である.前者には,ステロイド中止後のrebound現象を利用するステロイド離脱療法も含まれるが,このような免疫賦活する治療法では,一時的であるにせよ肝炎の増悪を伴う点が問題とされている.B型慢性肝炎の治療の目標は,ウイルスの体内よりの完全排除であるから,抗ウイルス剤による治療方法が最良と思われる.現在B型慢性肝炎の治療に使用されている抗ウイルス剤は,インターフェロン(IFN)とadeninearabinoside(Ara-A)である.このうちIFNは,抗ウイルス作用だけでなく種々の生物学的活性を有し,抗原性によってIFN-α(白血球IFN),β(線維芽IFN),γ(免疫IFN)の3種類に分類される.ここでは,B型慢性肝炎のIFN-α,β療法について,現在までの成績にもとづいて,その有効性および今後の問題について述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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