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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望

治療—その効果と限界

ステロイド離脱療法

著者: 熊田博光1 池田健次1 村島直哉1 吉場朗1

所属機関: 1虎の門病院・消化器科

ページ範囲:P.1044 - P.1046

文献概要

 e抗原陽性の慢性活動性肝炎は,頻回にトランスアミナーゼの上昇を繰り返しながら長い年月を経過し,1部は肝硬変さらには肝癌に進展することが明らかになっている.こうしたe抗原陽性の慢性活動性肝炎はe抗原を消失させ,さらにe抗体へのseroconversionを起こすことにより,血清トランスアミナーゼをはじめ肝機能の改善が得られる.また組織学的には慢性肝炎の活動性はなくなる.
 筆者らは,ステロイド剤を比較的短期間大量に使用し,中止後に起こる血清トランスアミナーゼの再上昇(rebound現象)を利用し,その後にe抗原からe抗体へのseroconversionが起こる現象を見つけ出しこのrebound現象を治療に応用した.最近ではe抗原陽性の慢性活動性肝炎の症例にステロイド離脱療法を行い,e抗原の消失率は約50〜70%であったと報告されている.ここでは,この治療法の実際とその適応,さらには禁忌症例について具体的に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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