icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 治療—その効果と限界

その他の新しい肝臓病薬

著者: 瀧野辰郎1 中嶋俊彰1 瀬戸良文1

所属機関: 1京都府立医科大学・第3内科

ページ範囲:P.1050 - P.1051

文献購入ページに移動
 HBウイルスやNANBウイルスの持続感染に起因する慢性肝炎や肝硬変症に対する薬物治療の目標は,原因である肝炎ウイルスを生体から排除すること,ならびに障害された肝臓機能を賦活し,改善することにある.しかしウイルスを完全に体から排除する治療剤は未だ発見されず,従来の肝臓用剤や肝庇護剤では,肝障害に伴うトランスアミナーゼ値やその他の肝機能検査の異常をただ漠然と改善するものが多かった.実際,本邦で昭和48年以後行われて来た二重盲検試験による肝臓用剤の再評価の成績では,大部分の薬剤で臨床的な全般改善度や肝機能改善度,とくにトランスアミナーゼ値の改善に有効性が認められている(表)1).これらの肝臓用剤は,慢性肝炎あるいは肝硬変症の治療薬としての適応ではなく,「慢性肝疾患における肝機能の改善」という対症療法的な意味から認可されたものである.
 最近,慢性肝炎や肝硬変症において蛋白代謝を主として改善するマロチラートと,HBe抗原からHBe抗体へのseroconversionを促進するシアニダノールが開発された.次にこれらの新しい肝臓病治療薬について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら