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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎—現況と展望 座談会

ウイルス肝炎—研究と臨床の現状

著者: 矢野右人1 上村朝輝2 林茂樹3 小池克郎4 織田敏次5

所属機関: 1国立長崎中央病院・臨床研究 2新潟大学医学部・第3内科 3国立病院医療センター・消化器内科 4癌研究会癌研究所・遺伝子研究施設部 5国立病院医療センター

ページ範囲:P.1055 - P.1067

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 織田(司会) 肝臓の病気も,私たちの時代とはだいぶ変わってきました.後でそれぞれヤング・パワーの心意気をうかがおうと思います.
 肝炎がウイルスでひき起こされるということが解明されたのは昭和16年,私が東大に入った年です.北大の弘先生のお仕事を新聞記事で読みました.今でも覚えておりますが,1年坊主,何もわからないのですが,それでも大変なことだというような印象だけは…….北岡正見先生のところへ私も飛び込んだのでしたが,先生は素人がウイルスなどやっちゃいかんということをおっしゃいました.したがってウイルスを横目で見ながらウイルスなき肝臓病学を始めたわけです.まずは蛋白と肝臓,その次がGOT,GPTからG6Pase.1954年のLaDue,WróblewkiのGOTでしたから,日本でそれを測り出したのが昭和30年頃.私が昭和33年に消化器病学会の特別講演をやるわけです.そのときは肝機能の細胞生化学的研究という,いまから考えたら大それた表題でしたが,その当時は何とか酵素を中心に,構造と機能をこれからやろうという心意気を示したものでした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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