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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻6号

1985年06月発行

文献概要

感染症メモ

抗生物質関連腸炎(antibiotic-associated colitis)

著者: 高橋幸則1 北原光夫1

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.1142 - P.1142

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 急性の大腸炎の診断の際に考慮すべきものにantibiotic-associated colitis(AAC)がある.これには軽度の下痢から激症の偽膜性大腸炎まで広い病態が含まれる.そして患者の糞便からClostridium difficileとその毒素が同定されたことから,ごく一部(Klebsiellaoxytoca, Staph.aureus)を除いて,これがAACの病因と考えられている.C.difficile大腸炎はあらゆる年齢層に起こるが,とくに高齢者に頻度が高くなっている.その他のhigh risk groupとしては,癌患者,腹部手術を受けた者,さらにICU入院患者などがあげられる.
 抗生物質についてはその投与期間・投与量はAAC発症と直接の関係はなく,予防投与においても発症が認められている.誘因となる抗生物質としては以下のようなものがある.ペニシリンG,アンピシリンなどのペニシリン系,各種のセフェム系,クリンダマイシン,リンコマイシン,メトロニダゾール,テトラサイクリン,エリスロマイシン,S-T合剤,クロラムフェニコール,およびリファンピシンなどである.また,アミノグリコシドの経口投与例の報告もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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