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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻7号

1985年07月発行

文献概要

今月の主題 抗炎症剤の進歩と使い方 非ステロイド剤の基礎と問題点

非ステロイド剤とプロスタグランディンの併用療法

著者: 東島利夫1 廣瀬俊一1

所属機関: 1順天堂大学医学部・膠原病内科

ページ範囲:P.1200 - P.1202

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 非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)とprostaglandin(PG)の併用療法は,1978年Cohen1)らが健常者を対象として,aspirin服用例にみられる消化管出血が経口的なPGE2の併用により,有意に減少することを報告したのが最初である.
 これは,NSAIDの副作用の1つである消化管出血の治療および予防薬として用いられたものであり,広義の"NSAIDとPGの併用療法"である.本来のNSAIDとPGの併用療法とは,生体にとって有害なprostanoid産生をNSAIDにより抑制し,生体にとって有用なPGのみを外因性に投与する方法である.この観点からの併用療法の試みは,1978年Hallenbeck2)らが,犬を用いて行っている.すなわち,脳の血流を一時遮断し,再循環させると,微小循環障害が惹起されるが,indomethacinとPGI2の併用療法で改善したと報告している.彼らは,後日,heparinを同時に併用すると,より有効であるとしている3).また,1983年には猫の脊髄損傷にもNSAID,PGI2,heparinの併用療法が有効であると報告している.このように,動物実験ではNSAIDとPGの併用療法の有用性が確認されており,臨床的に用いられる日は近いと思われる.今回は,その理論的背景と現況について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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