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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻7号

1985年07月発行

文献概要

今月の主題 抗炎症剤の進歩と使い方 抗炎症剤の周辺

活性酸素と抑制剤

著者: 丹羽靱負1

所属機関: 1土佐清水病院

ページ範囲:P.1234 - P.1236

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炎症反応と活性酸素
 細菌などの異物の生体内への侵入に際し,好中球は単球とともに異物に対し貪食作用を行うが,その際,活性酸素(oxygen radicals:O2-,H2O2,OH・,1O2)(以下ORと略記)を発生し,ライソゾーム酵素(lysosomal enzymes,LEと略記)とともに胞体中の貪食物を融解し,ORの産生あるいはLEの分泌欠乏に基因したchronic glanulomatous disease,あるいはChediak Higashi症候群は有名で,貪食物融解作用低下のため易感染を反復する.一方,食細胞が過度に刺激されると,ORやLEの産生・分泌を増加し,細胞外にもORやLEが放出され,自己の組織に対しても融解作用を及ぼす.このような食細胞の組織への障害作用や,セロトニン,ヒスタミンなどの活性化に伴う血管の透過性の亢進などが協力して,細菌や異物の侵入による生体の炎症反応が成立する.
 炎症時の組織障害作用は,LEが重要な役割を果たすとされていたが,近年ORによる組織障害のほうが強力で,auto-oxidative damage1〜3)として注目されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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