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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻7号

1985年07月発行

文献概要

講座 >図解病態のしくみ 腎臓病・7

ネフローゼ症候群

著者: 黒川清1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.1295 - P.1300

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概念
 ネフローゼ症候群(Nephrotic Syndrome:NSと略す)は,腎糸球体基底膜の血清タンパクに対する透過性が亢進するために,アルブミンを主とした血清タンパクが,尿中に失われることにより起こる一連の症候を総称するものである.尿中へのアルブミンの大量の喪失は,低アルブミン血症,そして血漿oncotic pressureの低下により浮腫を生じることになるので,大量のタンパク尿,低アルブミン血症,浮腫をもってNSと定義することが多い.一般に,低アルブミン血症をきたすような尿中へのタンパク排泄は,1日3.5g以上のことが多いので,1日3.5g以上の尿タンパクの存在をもってNSと呼ぶこともあるが,正確には,尿中へのアルブミンの喪失による血清アルブミンの低下,それによる浮腫の存在をもってNSと呼ぶべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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