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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻8号

1985年08月発行

文献概要

今月の主題 高血圧症—今日の治療 高血圧研究のトピックス

中枢神経と血圧調節

著者: 今泉勉1

所属機関: 1九州大学医学部・循環器内科

ページ範囲:P.1412 - P.1414

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 中枢神経系が血圧調節に重要な役割を果たしていることは周知の事実である.すなわち,(1)ratで脊髄切断を行い,中枢よりの交感神経を切断すると収縮期圧は50mmHg程度に下降する.(2)精神的ストレス,脳卒中や脳圧亢進により血圧が上昇することは臨床でよく遭遇する.(3)さらに起立時の血圧が低下しないのは,末梢圧受容体よりの刺激を中枢神経系で総括して交感神経緊張,血管収縮を起こすからである.正常状態だけでなく病的状態(高血圧)においても中枢神経系が交感神経を介して,高血圧の発症,維持に重要な役割を果たしていることが示唆されている.(4)本態性高血圧における血中および髄液中ノルエピネフリンの増加,(5)また実験的高血圧ラット(DOCA salt,Dahl salt sensitive,SHRまた腎性の高血圧においてさえ)中枢・交感神経系の異常が高血圧の発症,維持に関与しているといわれている.(6)さらに,α-methyldopa(Aldomet®),clonidine(Catapres®)やpropranolol(Inderal®)はその中枢作用により血圧を低下させる.
 中枢神経系の血圧調節は単に交感神経を介しているだけではない.中枢神経による内分泌系の調節を介しての血圧調節も最近明らかになりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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