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文献詳細

雑誌文献

medicina22巻8号

1985年08月発行

新薬情報

生合成ヒト・インスリン—Hurpan Insulin(recombinant DNA)

著者: 水島裕1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科

ページ範囲:P.1510 - P.1511

文献概要

 概略 今日まで広く用いられているインスリン製剤は,ウシおよびブタの膵から抽出・精製されたインスリン製剤である.これらの動物インスリンはヒト・インスリンとアミノ酸組成が一部異なることから,純化してもその抗原性に問題がある.またインスリンの需要が世界的に増していることから,インスリンの原料としてのウシ・ブタの膵が将来不足するのではないかとの危惧もある.
 1978年City of Hope National Medical Cen-terの研究者達は遺伝子組み換え法によるヒト・インスリンを生合成することに成功した.すなわち,ヒト・インスリンのA鎖およびB鎖を作りだすDNAを化学的に合成し,それぞれを別々にEscherichin coli K 12に挿入してヒト・インスリンのA鎖およびB鎖を産生させ,DEAEセルロースクロマト,高速液体クロマトで精製し,両者を化学的にdisulfide bridgeで結合させてヒト・インスリンを得る生産技術を開発した.1979年,EliLilly社はヒト・インスリン〔HI(rDNA)〕の工業生産を開始した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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