icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina23巻11号

1986年11月発行

今月の主題 意識障害へのアプローチ

脳占拠性病変と脳ヘルニア

脳ヘルニアの診断

著者: 厚東篤生1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.1862 - P.1865

文献概要

 脳占拠性病変とその周辺の浮腫により,あるいは脳循環障害によって脳浮腫が発生したとき局所的に頭蓋内圧が上昇する.その際,大脳鎌,小脳テントなどの硬膜の間隙や大後頭孔を越えて脳の一部が比較的抵抗の少ない方向に押し出されることを脳ヘルニアという1)(図1).ヘルニアを起こした組織は脳神経,脳幹を圧迫するのみならず,動静脈を圧迫して脳虚血,静脈の鬱滞などの循環障害から脳浮腫をさらに増悪させ,二次的脳幹出血をもひき起こす.臨床的には,進行性の意識障害をはじめ種々の神経症状を呈し,脳腫瘍や急性期脳血管障害の直接死因として最も重要である.そこで脳ヘルニアの発現を早期に診断し,適切な治療方針をたてることが重要である2,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら