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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻11号

1986年11月発行

今月の主題 意識障害へのアプローチ

代謝性脳症

電解質,酸塩基平衡と意識障害

著者: 岡安裕之1

所属機関: 1昭和大学藤ガ丘病院・神経内科

ページ範囲:P.1876 - P.1878

文献概要

 脳は他臓器と異なり,血液脳関門,血液髄液関門の存在により,血液中の電解質,酸塩基平衡異常の影響を直接うけることがなく,脳をとりまく環境は比較的一定に保たれるようになっている.しかし水は血液脳関門を自由に移動するため血清浸透圧の変化は水の移動を招き,直ちに髄液,脳細胞外液に影響を与えることとなる.また炭酸ガスは速やかに関門を移動するが,イオンであるHCO3-は通過しにくい.髄液の酸塩基平衡は蛋白濃度が小さいため,ほとんど炭酸緩衝系により緩衝されているため,呼吸性変化により髄液pHは大きな影響を受ける.臨床上,意識障害の原因として重要になってくる電解質,酸塩基平衡の異常は低Na,高Na,高Ca血症とアシドーシスである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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