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カラーグラフ リンパ節疾患の臨床病理
猫ひっ掻き病
著者: 山科元章1 片山勲1
所属機関: 1埼玉医科大学・第1病理
ページ範囲:P.1933 - P.1936
文献購入ページに移動さて,これまでにこのCSDは猫を媒体とする感染症として,病気の本質は確立したように考えられているが,感染症そのものをひき起こす原因微生物については,クラミディアではないかと推測されているだけで,確証はない.この推測は,CSDと似た組織像を呈する鼠径リンパ肉芽腫(lymphgranuloma inguinale,第四性病)の原因がクラミディアによること,そして,ときにCSDと鼠径リンパ肉芽腫の患者の血清に同じクラミディアに対する交差反応がみられることなどに依存している.ところで,最近CSDと確認されたリンパ節病変内にグラム陰性菌が染色されたという報告が相次いでみられ,ようやく形態学的には,CSDの細菌感染症としての位置が確立されようとしている.
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