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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻12号

1986年12月発行

文献概要

今月の主題 血流障害と血栓・塞栓症 病態生理

閉塞性動脈疾患

著者: 都島基夫1

所属機関: 1国立循環器病センター・内科動脈硬化・代謝・臨床栄養部門

ページ範囲:P.2006 - P.2010

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 本邦の食糧事情や生活環境の欧米化により,糖尿病,高脂血症,肥満といった代謝異常が増加している.これに伴い,血管障害の疾病構造も,脳出血やlacunal strokeといった,高血圧,低蛋白低脂肪に伴う細小動脈硬化性疾患が著減し,虚血性心疾患,内頸動脈や椎骨脳底動脈の梗塞などの粥状動脈硬化が基礎にある疾患が増えつつある.
 閉塞性動脈疾患には,粥状動脈硬化が進行した閉塞性末梢動脈硬化症(atherosclerosis obliterans:ASO)と動脈炎,血管攣縮,血栓形成が主体のBuerger病,別名閉塞性血管性動脈炎(thromboangitis obliterans:TAO)に大別できる.ASOは本邦ではBuerger病よりもはるかに発生数が少なかったが,1955年以来,Buerger病がほぼ一定に推移したのに対し,ASOはこの20年間に直線上に増加し,約4倍の数に増え,Buerger病の発生数をしのぐようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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